先週は諸々の作業が重なった上にスタッフブログの更新当番もあって、毎日午前様だった。前の仕事と違って、今は朝9時出勤なのに午前様が続いていたのだから、体力的には相当ハードだった。そんなわけで、土曜は最後のネルケンについていけなかった。本当は行きたかったんだけど、今となっては、我慢して正解だったと思う。
パーカーが、らしさを発揮していてうれしい。彼の活躍は、本当に励みになる。私はちゃんと全力を尽くし、己を捧げて、熱く、挑戦しているだろうか。
先日、ずっと気になっていたカート・コバーンの「アバウト・ア・サン」というDVDを買った。これがとてもいい作品だった。アバディーンオリンピア、そしてシアトルの、カートがかつてそこにいたなまなましい風景に、彼のインタビュー音源がかぶせられ、構成された1時間半ほどの映像作品。すっかりBGVになっている、シアトル近郊のあのあたりの天候が、金沢の空模様を思わせて、どこかでみたような懐かしさを感じる。たいてい雨が降っている。
カート・コバーン アバウト・ア・サン デラックス版 [DVD]
まわりとは一線を画した、いわゆる洋楽好きだった私の16歳から19歳にかけて、リアルタイムで経験したムーヴメントは、グランジオルタナブームだった。なかでも、よく聴いていたのは、ニルヴァーナスマパン。アリチェンも今となっては大好きだけど、はじめて買った彼らのCDはアンプラグドだったくらいだから、どちらかというと遅れて聴きはじめていて、90年代初頭のお気に入りではなかった。アリチェンは当時、本国での知名度とは相反して、日本の洋楽メディアでは、あまり語られなかった。
その点、ニルヴァーナは当時から、ロック誌あげての大ブームで、私もカートがまだ生きていた頃から熱心に聴いていた。やっぱり衝撃的な音楽だった。カートの自殺について第一報を知ったときのことも良く覚えている。朝、地元の新聞の社会面に、わりと大きく載っていた。なによりその日は私の、19歳の誕生日だった。死体が発見されたのが、4月8日。その報をみたのが、4月9日。こういうことは実は二度目で、岡田有希子が自殺した時も、4月8日の断命を4月9日に知った。
ちなみに、カート・コバーンとレイン・ステイリーの推定命日が同じ4月5日であることは、よく知られている。同じ1967年に生まれ、ブロンドの二枚目、同じシアトルでグランジムーヴメントの旗手として躍り出て、強烈なヴォーカルスタイルで時代をつくり、商業的成功を収め、一方ではそのために鬱へとりつかれ、ドラッグに手を出し、のまれ、推定4月5日に世を去り、死体で発見された、とてもよく似ているこのふたり*1に、生前の接点はなぜか、不自然なまでにない。

*1:追記だけど、両親がこどもの頃に離婚して、ずっと父親の影というかトラウマというかを、引きずっているところも似ている。どちらも父親との関係を、ダイレクトに詩作へぶつけている。